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レザーのジャケットはおって♪
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キーボードをやっている理由(3)のつづき


僕は小学校も高学年になり、部活のサッカーだけでなくお洒落に興味を持ったり、一人前にも恋愛をしたりと少し大人ぶる年頃にもなって来ました。
そして、家の方も新しく家を建てて小学校卒業と同時に別の校区に引っ越しをする事も決まりました。

そんな変化が激しい年頃で動きがある毎日の中・・・
団地のお隣さんの年上で中学生の香子(きょうこ)ちゃんですが、夜な夜な香子ちゃんのお父さんの激しく激怒して叫ぶ声と、香子ちゃんの泣いて抑止して懇願している声が聞こえてくる様になりました。
瞬く間に団地内でも噂になり・・・どうやら香子ちゃんのお父さんが毎晩お酒を飲んで酔っぱらって、娘である香子ちゃんに暴力を振るっているようでした。
最初は月に数回とかたまにの様子でしたが、だんだんと頻繁になっているようで、ある日久しぶりに香子ちゃんと団地内の階段で会った時、明らかに顔に青いあざが見えました。

「香子ちゃん・・・・」

と声をかけましたけど、香子ちゃんは顔を隠しながら「ゴメン・・またね・・・」と一言だけ発して逃げるように立ち去りました。

そんな周りも気付くまでの状況ですから、当然ながら近所である団地内の人達や内の親も心配して助けて上げようとしましたが、香子ちゃんのお父さんに事情聴衆しても「お宅には関係無い」の一点張りでしたので、最終的にはある晩にまた暴力をしている声が聞こえた時に、警察を呼びました。

警察に注意を受けてからはだいぶ大人しくなったようですが、それでも完全に暴力が無くなってはいないようで、離婚して離れて暮らしている香子ちゃんのお母さんが、香子ちゃんを引き取りに度々話し合いに来ているようでした。


それから香子ちゃんを引き取る話し合いはやがて裁判までになってしまったようですが、時間も経ってようやく香子ちゃんは暴力を振るうお父さんと離れて、お母さんの方と一緒に暮らす様に決まりました。


僕が小学6年生の冬の2月
僕ももうすぐ卒業と同時に引っ越すのですが、一足先に香子ちゃんがお母さんの家に引っ越しをする事になりました。

香子ちゃんの引っ越しの前日の土曜日、ちょうど2月14日でバレンタインデーという事もあって下校した後のお昼過ぎに、香子ちゃんがチョコレートを持って来てくれました。

香子ちゃんも色々ありましたが、ようやく平穏な生活が出来るという安堵感に溢れていました。
ただ・・・もうお隣さんではなくなってしまうし、香子ちゃんの引っ越し先も遠い所だということで、すごく寂しくなったのです。

「香子ちゃん・・・家が遠くなるから、もうあんまり会えなくなるね・・・」

「うん・・・だけどつかさ君は今もサッカーとかで忙しいから・・・だから私の事もそんなに気にしないと思うし、大丈夫だよ」

「でも、部活してから香子ちゃんとあんまり遊んだり話したり出来なくなって、俺も本当は淋しかったし・・・」

「ありがとう・・・引っ越したらすぐに手紙書くよ」

「でももう・・香子ちゃんのピアノは聴けなくなるね・・・」

「え〜、あんまり興味ないくせに」

「そんな事無いよ!本当は最近は部活で忙しくって・・・でもずっと香子ちゃんのピアノを聴きたいなぁと思ってて・・・」

「本当にぃ?嬉しいなぁ・・・じゃぁ今から弾いて聴かせてあげようか?今、家は誰もいないし」


それから香子ちゃんの家でずっとピアノを聴かせてもらいました。


次回、キーボードをやっている理由(5)につづく・・・








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キーボードをやっている理由(2)のつづきtsukasa.JPG


隣の香子(きょうこ)ちゃんが弾くピアノは本当に上手で綺麗で、同じ団地内でも評判になるほどでした。
学校から帰って来て外に遊びに行かない日は漫画を読みながらお菓子を食べて、そして聴こえてくる香子ちゃんのピアノの音が最高のBGMです。
弾いている曲はショパンやベートーベンなどのクラシックがほとんどで、どれも聴いた事ある名曲で誰もが好きな選曲ばかりでした。

香子ちゃんはお父さんの帰りが遅くて夜は一人でいることが多かったので、うちの親がたまに香子ちゃんを家に迎えて一緒に晩ご飯を食べる事もよくありました。

そんなある日、香子ちゃんにピアノをやっている理由を尋ねてみました。

「ねぇ、香子ちゃんは何でピアノをしてるの?」

「えっと・・お母さんがピアノの先生をしてたから小さい時から教えてもらってたの」

「そうなんだ・・・今もお母さんに習ってるの?」

「ううん、お母さんとはあんまり会えないから・・・」

「・・・そっかぁ・・・もっと会えるといいね」

「うん、だからたまに会った時にはピアノが上手になったのを見せたいから、もっともっと上手になるように毎日練習してるの」

香子ちゃんは両親が離婚して離ればなれになってしまったお母さんの事を思ってピアノを弾いているのでした。

更に香子ちゃんは

「つかさ君もピアノやればいいのに・・・楽しいよ。」

でも僕は

「ヤダよ!ピアノって女がやるものだし・・・それにうちは4人家族だし置く所ないよ」

子供ながらの偏見もあってピアノを弾く事には、男として抵抗がありましたし興味はまったくありませんでした。


それから香子ちゃんは中学1年生になり、僕は小学4年生になってサッカー部に入部しました。
その頃は漫画で連載中でアニメにもなった「キャプテン翼」が大流行して、自分もサッカー少年で何よりもサッカーが一番になっていた時期です。
部活は練習が週に3、4日あって帰りも夜暗くなってからで、試合がある時は土曜日の午後や日曜日も部活になってしまうので、家にいる時間もかなり少なくなって来てました。
香子ちゃんは中学生になっても部活動には入らなく、毎日学校が終わったら真っすぐ帰っているようで、その頃には家の家事全般を担っていて逆に忙しそうでした。

僕も毎日サッカーばかりで本当に忙しかったのですが、たまに「香子ちゃん元気かなぁ?たまには家でゆっくりピアノ聴きたいなぁ」と思う時がありました。
その頃はもちろんサッカーが一番でしたけど、流行っている音楽を聴く年頃にもなっていて毎週楽しみにしている夜9時からのラジオ番組もあり、そのラジオで覚えたTM NETWORK、BOOWY等が好きで聴いてましたし、アイドルの光GENJIやおニャン子クラブも聴いてました。
そうやって音楽に興味を持ち出すと、香子ちゃんが弾いているピアノも更にすごいと思えるし、男が弾いてもカッコいいなぁとも思えるようになりました。

でも、香子ちゃんとは小学生と中学生という差も出来てしまったし、僕が家に居る事も少なくなったのもあってだんだんと疎遠になってしまい、香子ちゃんのピアノを聴く事もなくなってきてしまいました。


次回、キーボードをやっている理由(4)につづく・・・

キーボードをやっている理由(1)のつづき090615_212922.JPG


小学校6年生の時まで県営団地に住んでいました。
当時は地元の熊本県内でもかなり大きな団地群で、1棟が30世帯の集合住宅が約50棟もありました。
ですから校区のほとんどはその団地でまかなっていたので、通っていた学校の生徒のほぼ全員がその団地に住んでいたという、今思えばちょっと特殊な環境でした。

小学校2年生の頃、僕が住んでいた団地の同じ棟でしかもお隣さんに「香子(きょうこ)ちゃん」という3歳年上の小学5年生の女の子が引っ越して来ました。
後で知った事情によると両親が離婚してしまい、一人っ子の香子ちゃんはお父さんの方に引き取られてのお父さんと2人暮らし開始だったようです。

同じ団地の棟内には割と若い夫婦が多かったので、その子供も小学生くらいまでの子が多く、子供の僕らはみんなとはとても仲良しでいつも一緒に遊んでいました。
毎日、公園で野球したりサッカーしたり鬼ごっこや缶蹴りなど・・・ファミコンも出ていた時代でしたが、みんな団地に住んでるあまり経済状況に余裕が無い家庭ばかりなので、ファミコンなどのゲームを持っている人もほとんど居ません。
テレビゲームにはみんな憧れていましたけど、まだ当然の様に毎日暗くなるまで外でばかり元気に遊んでいました。

そんな中に3歳年上で小学5年生の香子ちゃんがその団地内の隣に引っ越して来た訳ですが、女の子というのもあって遊び方も違うし、僕ら男だけのグループには当然入ってくる訳でもなくて、最初に挨拶をしただけですぐには仲良くなる事が出来ませんでした。
それに小学生にとって3歳の年の差はかなりのもので、自分にとっては本当に「年上のお姉さん」という感じで小学校上級生ですし相当大人に感じられました。
香子ちゃんはお父さんと2人暮らしで、そのお父さんも仕事で帰ってくるのが毎日夜9時過ぎとかでしたので、いつも1人ですごく寂しそうです。
きっと色々な事情があったのでしょうが両親が離婚したばかりなので、なんだか引け目を感じている用にも見えましたし、時折団地の階段とかですれ違った時の礼儀正しく挨拶してくる姿が、とてもしっかりしていて逆に大変で不幸そうにも、僕は子供ながらに感じていました。

僕が通っていた小学校は4年生から部活動にも入れるのですけど、香子ちゃんは学校が終わると真っすぐ帰宅しているようで、部活はやっていないようでした。
でも、毎日夕方4時くらいになると隣の香子ちゃんの家からピアノの音が聴こえていました。
毎日毎日暗くなる夕食時まで・・・


次回、キーボードをやっている理由(3)につづく・・・

キーボード(シンセサイザー)をやっています。key.JPG

一応、ギターやドラム等も触り程度なら出来るつもりで、高校の応援団では和太鼓をやったこともあり、ギター演奏でLIVEに出演したこともあります。
ですが、自分はほぼキーボードの演奏を行なうことが多いです。

ですが分かっていただきたいのが、キーボードは本当に大変ですし苦労も多くて、いい事なんか一つも無いです。


皆さんご存知の通りキーボードはLIVEのステージでは後ろの端っこ。
ドラムも後ろですが、ドラムはど真ん中にデンと構えて見た目のインパクトもあり、サウンド的にも一番重要で目立ちますよね。
もちろんボーカルが言うまでもなく一番目立っていて、次にギターそしてベース。
キーボードに関しては弾いている手の動きすらも見えないですし、見方によってはただ後ろの端に突っ立っていて何をしているかわかりません。
バンドスタイルとしてもキーボードがいるバンドというのがプロ・アマ問わず圧倒的に少ないですし、ロックに限って言えばドラム・ベース・ギターは必須ですが、キーボードは別にいなくてもいいのです。
ですからキーボードとしてバンドにいる時は、担当しているパートというのはいわゆる「ボーカル・ギター・ベース・ドラム以外」なので、ピアノ・ハープシコード・エレピ・ストリングス(バイオリン等のオーケストラ類)・オルガン・ハーモニカ・ブラス(トランペット等の管楽器類)・アコーディオン・木琴・鉄琴・ベル・機械音などなど曲によって様々です。
曲の度に音から作りますし、ギターならギターだけ演奏するのと違うので、キーボードという鍵盤だけでの演奏なのに様々な楽器を奏でる訳ですから、指使いや音階も違うので単純にコピーも他のパートの何倍も難しいです。


そして、一番ご理解頂きたいのがキーボードは荷物が一番多いですし、大きくて重いです。
もちろん本当はドラムが荷物が多いのですけど、プロでないならばほとんどがライブハウスやスタジオのドラムを使っているので、持って来てもスネアとシンバルとスティックだけで、実はボーカルの次に荷物が少ないのです。
ギターとベースは本体とエフェクターのみがほとんどですけど、キーボードは自分の場合はだいたい2台持ち運びしていて、1台の大きさは幅130cmくらいで重さは20kg近くあります。
車に乗せる時でも、普通車のセダンタイプではトランクに入りませんし後部座席にも乗りません。
ですからワゴンタイプ以上の車を持ってないとキーボードは出来ないとも言えるのです。
おまけにスタンドが必要になります。
ギターみたいにからって演奏出来るならいいですけど、ショルキーで無い限り普通のキーボードでは重さ10kgもあるスタンドも合わせて持ち運びしなければならないのです。
そしてシールド類の配線も一番多いです。ステレオでLRに出力が別れていますので一台のキーボードに2本のシールドとプラグが必要ですし、その他MIDIケーブル等の特殊な物まで必要になりますので、いつも15、16本のシールド類を常備しています。
自分はいつもLIVEや練習・レコーディングの度にマンションの7階からキーボード2台(計40kg)とスタンド(10kg)とその他ミキサーにパソコンと配線がギッシリ詰まったバッグを、1人で何度も何度も往復して車に積み込みと車からの積み降ろしをしていますが、その度に「もう辞めよう・・・」といつも思います。


ここまでで、目立たなくて必要性が薄いにも関わらず、持ち運びが大変なのを説明させてもらいましたが、一番ネックなのはお金がかかる事です。
もちろんギターやベースやドラムも高いのはキリがなく高いですけど、その反面は安くてリーズナブルなものもたくさんあります。そして30万円のギターでも3万円のギターでも音の違いが分かる人が少ない程の差しかありません。
しかしキーボード(シンセサイザー)に限っては、まず一番安くて10万円くらいします。
子供向けのおもちゃのキーボードはもちろん安くてありますけど、バンド活動等の音楽で使うには基本的には数万円で買える物はありません。
自分が持っている物も1台30万円くらいはします。
キーボードは他の楽器と違ってコンピュータなので、値段によって音の種類・数・質・機能がまったく違います。高ければ高い程に差が生じます。
それにコンピュータ機器なのでモデルチェンジとかしてちょっと古くなると、家電やパソコンと同じ様に全然使えなくなります。


ここまで説明したキーボードのネガティブな話で・・・
もちろんキーボードをされている方もいらっしゃるのですが、ほとんどの方が小さい頃にピアノやエレクトーンを習っていたので、その延長ですぐに出来るからとキーボードをやっているのだと思います。
所が、自分はピアノやエレクトーンはもちろん楽器は一切習った事ありません。
元々はBOOWYやX-JAPANなどのキーボードがいないロックが大好きだったのですから、ギターなどをやっているのが普通ですよね。

では「何故キーボードをしているの?」という話になるのですが・・・

実は深い深い理由があるのです・・・


次回、キーボードをやっている理由(2)につづく・・・



プロフィール
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Tsukasa
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楽曲制作
自己紹介:
福岡、熊本を中心に音楽活動してます♪
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