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レザーのジャケットはおって♪
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孤独の中の鏡面<1>のつづき・・・


もう随分と気温も下がり秋も終盤に差し掛かり始めた昼下がり・・・

少し遅めのランチを女子大生の由実(ゆみ)と一緒にとっていた。
由実とは週に一度は会う仲で自分としては交際しているつもりはないのだが、向こうの方は「付き合っている」と思い込んでいるのは十分に認識している。
彼女と知り合ったきっかけは元々は半年前にクラブでホステスとしての出会いだったので、それから何度会おうが何度も「愛」の台詞を言われようが、いつまでも営業を受けているようで全てを鵜呑みには出来ない。
それに付随して一回り程年齢の差があるというジェネレーションギャップからも、心底彼女を信用出来ないという要因になっているのかもしれない。

それにしても・・・いつ会っても相変わらず由実は大学生らしからぬ容姿だ。
金髪の長髪に瞳はグリーンのコンタクト、化粧もきつめで服装は攻撃的なレザーのジャケット、下半身はミニスカートに網タイツで、どうみても国立大学の法学部に通っているようには見えない。
それでいて屈託の無いで笑顔でどうでもいい世間話をしてくるから、また異様なギャップを感じてしまう。

約2時間程ほぼ聞き役に徹してから、大学の友人と買い物に行くという由実を車で繁華街まで送り届ける。

由実はその日会った時と別れる間際に、場所がどこであろうが必ずキスをしてくる。
自分としては事業家・経営者として、いつどこで会社関係の人や取引先の相手が見てるか分からないのでいつもヒヤヒヤしている。
一度由実に理由を告げて「人前でのキスはやめよう」と伝えたのだが、ドSな彼女はそれ以降嬉しそうに更にキスをせがんでくるのでたまったものじゃない。

その日も一目につかない様に、商業ビル群の裏の路上の車中で別れようとする。

「ねぇ、最近はちゃんと眠れてる? 今日も何だかボーッとしてたけど」

キスをした直後に由実が心配そうに聞いて来た。

「まあ・・あんまり眠れないのは昔からだし、それより目覚めた時が気持ち悪いから困る」

「気持ち悪いって? 気分が?」

「いや・・・気分とかじゃないんだけど・・・」

「多分飲み過ぎだよ、だって毎日ワイン飲んでるでしょ? たまには控えた方がいいと思うよ」

「そうだな・・・じゃまたな」

「うん、またね・・・眠れない王子様・・」

由実は意味の分からない言葉を残し、もう一度キスをして車から降りて行った。


自宅に向かう途中で「眠りから覚めたら独りでに楽曲が出来ている」という怪奇現象を思い出しながら信号待ちをしていると携帯電話にメールが入った。
由実からだった。
これでもかと絵文字を使いハイテンションかつ可愛らしいいつものメール。
内容は大した事無いので返事をせずに携帯電話をしまおうとすると、1時間前にもう一通メールが着ていた事に気付き開いてみた。

『今夜は空いてる?家に行っていい?』

玲(れい)からだった。


次回、孤独の中の鏡面<3>につづく・・・





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