レザーのジャケットはおって♪
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キーボードをやっている理由(2)のつづき
隣の香子(きょうこ)ちゃんが弾くピアノは本当に上手で綺麗で、同じ団地内でも評判になるほどでした。
学校から帰って来て外に遊びに行かない日は漫画を読みながらお菓子を食べて、そして聴こえてくる香子ちゃんのピアノの音が最高のBGMです。
弾いている曲はショパンやベートーベンなどのクラシックがほとんどで、どれも聴いた事ある名曲で誰もが好きな選曲ばかりでした。
香子ちゃんはお父さんの帰りが遅くて夜は一人でいることが多かったので、うちの親がたまに香子ちゃんを家に迎えて一緒に晩ご飯を食べる事もよくありました。
そんなある日、香子ちゃんにピアノをやっている理由を尋ねてみました。
「ねぇ、香子ちゃんは何でピアノをしてるの?」
「えっと・・お母さんがピアノの先生をしてたから小さい時から教えてもらってたの」
「そうなんだ・・・今もお母さんに習ってるの?」
「ううん、お母さんとはあんまり会えないから・・・」
「・・・そっかぁ・・・もっと会えるといいね」
「うん、だからたまに会った時にはピアノが上手になったのを見せたいから、もっともっと上手になるように毎日練習してるの」
香子ちゃんは両親が離婚して離ればなれになってしまったお母さんの事を思ってピアノを弾いているのでした。
更に香子ちゃんは
「つかさ君もピアノやればいいのに・・・楽しいよ。」
でも僕は
「ヤダよ!ピアノって女がやるものだし・・・それにうちは4人家族だし置く所ないよ」
子供ながらの偏見もあってピアノを弾く事には、男として抵抗がありましたし興味はまったくありませんでした。
それから香子ちゃんは中学1年生になり、僕は小学4年生になってサッカー部に入部しました。
その頃は漫画で連載中でアニメにもなった「キャプテン翼」が大流行して、自分もサッカー少年で何よりもサッカーが一番になっていた時期です。
部活は練習が週に3、4日あって帰りも夜暗くなってからで、試合がある時は土曜日の午後や日曜日も部活になってしまうので、家にいる時間もかなり少なくなって来てました。
香子ちゃんは中学生になっても部活動には入らなく、毎日学校が終わったら真っすぐ帰っているようで、その頃には家の家事全般を担っていて逆に忙しそうでした。
僕も毎日サッカーばかりで本当に忙しかったのですが、たまに「香子ちゃん元気かなぁ?たまには家でゆっくりピアノ聴きたいなぁ」と思う時がありました。
その頃はもちろんサッカーが一番でしたけど、流行っている音楽を聴く年頃にもなっていて毎週楽しみにしている夜9時からのラジオ番組もあり、そのラジオで覚えたTM NETWORK、BOOWY等が好きで聴いてましたし、アイドルの光GENJIやおニャン子クラブも聴いてました。
そうやって音楽に興味を持ち出すと、香子ちゃんが弾いているピアノも更にすごいと思えるし、男が弾いてもカッコいいなぁとも思えるようになりました。
でも、香子ちゃんとは小学生と中学生という差も出来てしまったし、僕が家に居る事も少なくなったのもあってだんだんと疎遠になってしまい、香子ちゃんのピアノを聴く事もなくなってきてしまいました。
次回、キーボードをやっている理由(4)につづく・・・
隣の香子(きょうこ)ちゃんが弾くピアノは本当に上手で綺麗で、同じ団地内でも評判になるほどでした。
学校から帰って来て外に遊びに行かない日は漫画を読みながらお菓子を食べて、そして聴こえてくる香子ちゃんのピアノの音が最高のBGMです。
弾いている曲はショパンやベートーベンなどのクラシックがほとんどで、どれも聴いた事ある名曲で誰もが好きな選曲ばかりでした。
香子ちゃんはお父さんの帰りが遅くて夜は一人でいることが多かったので、うちの親がたまに香子ちゃんを家に迎えて一緒に晩ご飯を食べる事もよくありました。
そんなある日、香子ちゃんにピアノをやっている理由を尋ねてみました。
「ねぇ、香子ちゃんは何でピアノをしてるの?」
「えっと・・お母さんがピアノの先生をしてたから小さい時から教えてもらってたの」
「そうなんだ・・・今もお母さんに習ってるの?」
「ううん、お母さんとはあんまり会えないから・・・」
「・・・そっかぁ・・・もっと会えるといいね」
「うん、だからたまに会った時にはピアノが上手になったのを見せたいから、もっともっと上手になるように毎日練習してるの」
香子ちゃんは両親が離婚して離ればなれになってしまったお母さんの事を思ってピアノを弾いているのでした。
更に香子ちゃんは
「つかさ君もピアノやればいいのに・・・楽しいよ。」
でも僕は
「ヤダよ!ピアノって女がやるものだし・・・それにうちは4人家族だし置く所ないよ」
子供ながらの偏見もあってピアノを弾く事には、男として抵抗がありましたし興味はまったくありませんでした。
それから香子ちゃんは中学1年生になり、僕は小学4年生になってサッカー部に入部しました。
その頃は漫画で連載中でアニメにもなった「キャプテン翼」が大流行して、自分もサッカー少年で何よりもサッカーが一番になっていた時期です。
部活は練習が週に3、4日あって帰りも夜暗くなってからで、試合がある時は土曜日の午後や日曜日も部活になってしまうので、家にいる時間もかなり少なくなって来てました。
香子ちゃんは中学生になっても部活動には入らなく、毎日学校が終わったら真っすぐ帰っているようで、その頃には家の家事全般を担っていて逆に忙しそうでした。
僕も毎日サッカーばかりで本当に忙しかったのですが、たまに「香子ちゃん元気かなぁ?たまには家でゆっくりピアノ聴きたいなぁ」と思う時がありました。
その頃はもちろんサッカーが一番でしたけど、流行っている音楽を聴く年頃にもなっていて毎週楽しみにしている夜9時からのラジオ番組もあり、そのラジオで覚えたTM NETWORK、BOOWY等が好きで聴いてましたし、アイドルの光GENJIやおニャン子クラブも聴いてました。
そうやって音楽に興味を持ち出すと、香子ちゃんが弾いているピアノも更にすごいと思えるし、男が弾いてもカッコいいなぁとも思えるようになりました。
でも、香子ちゃんとは小学生と中学生という差も出来てしまったし、僕が家に居る事も少なくなったのもあってだんだんと疎遠になってしまい、香子ちゃんのピアノを聴く事もなくなってきてしまいました。
次回、キーボードをやっている理由(4)につづく・・・
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