レザーのジャケットはおって♪
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旅路での恋(3)のつづき
さゆりを追うためのバスを予約してからは、時間が経つ遅さにもどかしさを感じながらタウンズビルの町をうろうろとして時間を潰しました。
そして翌朝バスにてケアンズへ向けて出発しました。
ケアンズまでの道のりは約7時間・・・出発した時は朝だったのに到着した時はもう日は傾きかけていました。それでも前回のブリスベンからタウンズビルの30時間よりも、当然ながらすごく楽に感じられます。
ケアンズのバスターミナルに到着してバスから降りると・・・ジトっ感じる重苦しく暑苦しい湿気。
さすがに熱帯気候の地域で、太陽も近く気温も高い。
タウンズビルも暑かったですが、このケアンズは更に湿気がプラスされてとても蒸し暑いです。
もう夕方なのに未だギラギラと照りつける太陽の熱気を浴びながら、とりあえずさゆりと待ち合わせる約束をした、YHAのユースホテルへ歩いて向かいました。
ユースホテルは途中で道を訪ねたりしながら約1時間かけて到着。
ここのユースホテルも見た目はキレイで豪華。
敷地が広くて建物自体も2階建てで大きく、一部屋が6人部屋ですからそれで部屋数から計算すると100人以上は滞在出来る規模はありそうです。
しかも中庭にはプールもあるし、共同トイレ・共同シャワー・共同キッチンも広くてとても使いやすそうでした。
「これは長居出来そうだなぁ」
そう思いながらチェックイン時に2週間分部屋を予約してから、とりあえず部屋へ向かいました。
部屋の中もキレイで天井にはファンが回っています。
風通しもいいのでエアコンが無くても十分涼しく過ごしやすい環境でした。
ただ驚いたのが、ここもタウンズビルと同じく男女同部屋。
しかも、既に部屋にいたのがオランダ人の女性2人組ですが、2人ともかなりの横綱級の体格で・・・今で言うとまさに「マツコ・デラックス」本当によく似てます。
彼女らはとても気さくで親しみやすく会話も弾みました。
オーストラリアでアフリカ系以外の世界中さまざまな国の人と会話する機会がありましたが、その時に話せる共通の話題は「サッカー」
やはりサッカーはすごいです。
自分自身子供の頃からサッカーをやってましたし、未だに世界のサッカー情勢は詳しいのですが、旅で知り合った相手の国の有名選手を挙げると、相手も喜びとても親近感が出て来るのです。
ですから、その巨漢なオランダ人2人にも当時有名だったオランダ人のサッカー選手「ベルカンプ」「クライファート」「ダービッツ」など挙げて会話しました。
それよりもまずはさゆりを見つけなければいけません。
とにかくそのユースホテル内を歩き回って探索しました。
所が何時間も、もう探す所も無い程探しまくったのにさゆりの姿はありません。
時刻はもう夜の9時・・・
「また飲みに出かけてるのかなぁ」
外に出てBAR等の飲み屋を回って探そうかとも思いましたが、このケアンズは有名観光都市でもありなかなかの都会ぶり。
飲み屋の数も半端無くあります。
とても探しまわるのも大変で見つける事自体が無理そうだったので、とりあえず寝て翌朝からまた探すことにしました。
旅路での恋(5)につづく・・・
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旅路での恋(2)のつづき
さっき出会ったばかりのさゆりが出かけてから倒れ込むように爆睡し、それからどれくらい眠ったでしょうか・・・目が覚めると辺りは真っ暗でした。
時計を見てみると午後10時過ぎ・・・このタウンズビルに到着してホテルにチェックインしたのが昼の12時前でしたから、約10時間は眠っていた事になります。
さすがに大移動の後でしたので相当疲れていた様でした。
ふと、さゆりのことを思い出しました。
部屋には自分だけなので、まだ帰って来ていないようです。
化粧品や小物などの簡単な荷物も部屋には残されたままでした。
「こんな何もない町で、こんな夜遅くにいったい何をしているのだろう?」
窓を開けて外を眺めてみると、バスターミナルの隣にある小さなBARから80年代ダンス調の音楽が聴こえてきました。
「飲みにでも行ってるのかな・・・」
そう思って一旦さゆりのことを頭の中から外すと、突然かなりの空腹を感じました。
それもそのはず、ブリスベンからの30時間の移動中もほとんど食事をせず今に至ってる訳ですから、丸2日はまともに何も食べていないことになります。
とりあえずシャワーを浴びてタウンズビルの夜の町に出かけてみました・・・。
外に出てみると・・バスターミナル付近にBARやちょっとしたレストランがあるだけで、その周りは何も無く灯りもほとんどありませんでした。
もうレストランも閉店していて食事をする所は無さそうでしたが、少し歩いた先のアベニューに一軒だけ明々とネオンが輝いています。
「マクドナルド」
さすがマックだけはどこにでもあります。
心から感心しながら、オーストラリアに来てからの主食であるマックでいつもの味を堪能して、とりあえずお腹を満たしてからは特に何もない町並みを後にして、すぐにユースホテルの部屋に戻りました。
時刻はもう午前0時・・・
部屋に戻ってみても、まださゆりは帰って来ていません・・・
「何かあったんじゃないだろうか・・・」
そう心配もしましたが、実はまだ5分くらいしか会った事無い彼女。
「何も知らない訳だし・・誰か知り合った人と盛り上がって朝まで飲むのかな・・」
と心配するのも余計なお世話かなと思いながら日記を書いていると、またまた睡魔が襲って来たので抜けきれていない疲れと共に眠りにつきました。
翌朝、何かの物音で目が覚めました。
顔を上げてみると・・・
「おはよう♪ ごめんね・・・起こして」
さゆりがいました。
「いや、全然いいよ・・・今、何時かな?」
「えっと・・9時半だよ」
さゆりはさっき部屋に戻って来たかのように、髪もボサボサとかではなく身なりもちゃんとしていました。
「今帰って来たの? 夕べは部屋にずっといなかったし、どっかいいBARでもあった?」
そう聞いてみると
「う〜ん、そうね・・BAR知り合った人と飲みながら語ってたら、そのままお店で寝ちゃってたよ」
さゆりは可愛らしい照れ笑いをしながら答えました。
それならばよかったと安心してこれからの予定を尋ねてみると・・・
「実は私、今日がチェックアウトの日なんだ・・・だからもう10時までには出ないと」
「ええっ〜!マジで?」
そう聞いた時、あまりにも残念で立ちくらみがしました。
せっかく美人で愛嬌もあって性格も良さそうな女の子と夢の同部屋になれたのに・・・
残された時間はあと10分少々・・・出会った昨日の時間を合わせても15分くらいにしかなりません。
なんてついていない男なんだと思いながら行き先を尋ねました。
「えっ、もしかしてもう日本に帰るの?」
「ううん、まだ帰らないよ。今からはケアンズに行くの♪ ケアンズではスキューバダイビングとかしたいし、そこで2週間くらい滞在して日本に帰るつもり」
神はまだ見捨てていませんでした。
自分も次の行き先は更に赤道よりの熱帯気候都市「ケアンズ」
しかもそこにある世界最大の珊瑚地帯の「グレートバリアリーフ」でスキューバダイビングをする事がこの旅の最大の目的です。
「マジ!?俺もケアンズ行ってスキューバダイビングやるつもりだよ!」
俺は目を輝かせて言いました。
「本当に!じゃぁ一緒にダイビングしたいね♪ いつここからケアンズに出発するの?」
ケアンズへはいつでも出発出来ます!こんな何にもないタウンズビルには用はありません。
しかし泊まっているこの部屋は明日までの料金を払ってる・・・まあそれは諦めれるとして、ただ移動手段が問題でした。
さゆりはバスでケアンズまで行くようです。
しかしながら自分はまだバスの予約をもちろんしていません。オーストラリアの長距離バスの予約は基本的に1日前からしか受け付けてません。
それなのでケアンズへ出発出来るのは早くて明日の朝。
「OK!!俺も明日の朝一番にケアンズに行くよ。だから向こうで会おうぜ!!」
「ホントにぃ♪ じゃぁ私はケアンズのYHAのユースホテルに泊まるから、そこで待ってるね!」
そう聞いてすごく嬉しかったです。
なんだかとてもイケそうな気がしました・・・
それからバスターミナルで彼女を見送りしてから、ソッコーで公衆電話に駆け寄り次の朝一番のケアンズ行きのバスを予約しました。
旅路での恋(4)につづく・・・
旅路での恋(1)のつづき
タウンズビルまでの距離は約1300kmもあります。
バスで移動したのですが、かかった時間はなんど30時間!
その30時間の間でバスから降りたのは3回のドライブインでの10分間休憩だけ・・・
バスに乗っている途中から頭痛とめまいがして腰や足など体中も痛いし、食欲も無いから食事もせず睡眠もまともに出来ずに、ただもうろうとしていました。
そしてやっとの思いで到着したタウンズビル・・・
着いた時刻は昼の11時半・・・長くバスに閉じ込められていたので時差ボケを起こした様な感覚でした。
バスから降りてとりあえず休める宿を探しましたが・・・周りを見回してみると大きな山がそびえていて小さな港が見え、一応大きなビルも一つ二つはあるけど「都市」というより町。
ガイドブックに記載してある「北クイーンズランド州最大の都市」のイメージとはかけ離れた人も少ないただの閑散とした静かな町でした。
そんなだからユースホテルやバックパッカーズホテルも少ないはす・・・
疲れて歩く気力もないので、バスターミナルに併用しているちょっと値段が高めのユースホテルにチェックインしました。
あまりの疲れでチェックイン時もフラフラで行なっていたのですが、その時ホテルの受付のおじさんがこう言いました。
「お前ついてるな・・美人な日本人女性と同部屋だぜ!」
意識がもうろうとしているし、もちろん英語なのでイマイチ聞き取れなかったのですが、日本人女性と一緒というのはわかりました。
しかし、旅人が利用するような複数人数の部屋のホテルで男女が同じ部屋になるのは聞いた事も無く聞き間違いだろうと思いながら、そしてその割ときれいで普通のビジネスホテルのような宿の階段を昇り部屋へ入ると・・・部屋の中は誰もいません。
2段ベッドが一つでテーブル、デスク・・・そしてトイレ、バス付きの2人部屋、まさに普通のホテルの装備です。
ユースホテルという安ホテルにしては、あまりの部屋の豪華さに驚いているとそこへ誰かが部屋に入って来ました。
日本人女性・・・・
しかも超美人!
見た目の年齢は20歳くらい・・・
髪は綺麗な茶色のセミロングのストレートで、肌はオーストラリアでは珍しく色白く、大きな瞳と愛嬌のある笑顔が素敵な誰もが見ても「かわいい!」と思えるルックスでした。
「こんにちは!」
久しぶりに聞く日本語でした。
初対面でしかも男女同部屋なのにまったく抵抗や躊躇している感じもなく、とても親しげに話してくれ性格もとても明るく気さくな女性でした。
彼女の名前は「さゆり」で出身は横浜。
オーストラリアには1人で短期旅行に来ているという事でした。
自分も一通り自己紹介を済ませると、それから彼女はすぐに行く所があると一旦出て行きました。
一緒に出かけたかったのですがあまりにも疲労度が強いため、彼女が部屋に戻って来てゆっくり話すのを楽しみにベッドに倒れ込むように寝ました。
旅路での恋(3)につづく・・・
家のクローゼットの中の小物入れを久しぶりに整理してたら女性物のハンカチがありました。
ピンク色で水玉の柄
これは自分の物ではありません。
しかしながらすぐに誰の物か思い出しました。
ちょうど10年前の1999年・・
その頃はオーストラリアに住んでました。
一応学校に行ってましたが、ついていけなかったのですぐに辞めてしまって日本食料理店を2つ掛け持ちで働きながらコツコツとお金を貯めて、そして1ヶ月の休暇をもらってオーストラリア縦断の旅に出かけたのです。
まさに「旅」
その頃の住まいがあったシドニーを出発して北方のケアンズというオーストラリアでも赤道に近い、観光地でも有名な都市に向かったのですが、移動手段はというとバスかヒッチハイクか徒歩。
ほとんど懐かしの猿岩石状態で赤道方面へリュック一つと300ドルだけを持って行きました。
旅路は想像以上に過酷
あまりお金が無いから
食事はとにかくどこにでもあるマックのバーガーかリンゴをかじっていました。
寝る所は町の中にいる時はユースホテルやバックパッカーズホテルと呼ばれている安ホテル。
ホテルといっても8畳くらいの部屋に2段ベッドが4つくらい並んでての8人部屋に本当に寝るだけのスペース。
その部屋で同じく旅をしている色々な国の人と出会う事で親しくなって楽しい時間を過ごす事も出来るけど、その反面、盗難にあったり空気感染する変な病気をうつされたりと困った事も何度かありました。
旅人の中には女の子もけっこういたのですけど、女性は怖そうでした。
バスとヒッチハイクでシドニーから約700km離れたゴールドコーストに着きました。
そこではサーファーズパラダイスでサーフィンしたり、ハードロックカフェで飲んだりクラブで踊ったりで少しはお金を使って楽しい時間を1週間程過ごしました。
旅は出会いと別れが常に交錯します。
遠い国で偶然的に知り合えて、お互いの事やお互いの国の事を話して一緒に遊んだりご飯作ったりして仲良くなれたのに・・・
でも皆、旅人
目的地に向けて旅立たなければなりません。
せっかく出会えても別れる時は「もう二度と会えないかも」と思いながら「さよなら」しなければなりません。
もちろん別れを惜しんでその場所に留まり続けることも出来ますけど、お互いがずっとその地にいるということは、やはり難しいです。
別れの悲しみを乗り越えてゴールドコーストを出発し、ブリスベンを経由してタウンズビルに到着しました。
そこでは、日本人の女性と出会えたのです。
旅路での恋(2)につづく・・・