レザーのジャケットはおって♪
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旅路での恋(2)のつづき
さっき出会ったばかりのさゆりが出かけてから倒れ込むように爆睡し、それからどれくらい眠ったでしょうか・・・目が覚めると辺りは真っ暗でした。
時計を見てみると午後10時過ぎ・・・このタウンズビルに到着してホテルにチェックインしたのが昼の12時前でしたから、約10時間は眠っていた事になります。
さすがに大移動の後でしたので相当疲れていた様でした。
ふと、さゆりのことを思い出しました。
部屋には自分だけなので、まだ帰って来ていないようです。
化粧品や小物などの簡単な荷物も部屋には残されたままでした。
「こんな何もない町で、こんな夜遅くにいったい何をしているのだろう?」
窓を開けて外を眺めてみると、バスターミナルの隣にある小さなBARから80年代ダンス調の音楽が聴こえてきました。
「飲みにでも行ってるのかな・・・」
そう思って一旦さゆりのことを頭の中から外すと、突然かなりの空腹を感じました。
それもそのはず、ブリスベンからの30時間の移動中もほとんど食事をせず今に至ってる訳ですから、丸2日はまともに何も食べていないことになります。
とりあえずシャワーを浴びてタウンズビルの夜の町に出かけてみました・・・。
外に出てみると・・バスターミナル付近にBARやちょっとしたレストランがあるだけで、その周りは何も無く灯りもほとんどありませんでした。
もうレストランも閉店していて食事をする所は無さそうでしたが、少し歩いた先のアベニューに一軒だけ明々とネオンが輝いています。
「マクドナルド」
さすがマックだけはどこにでもあります。
心から感心しながら、オーストラリアに来てからの主食であるマックでいつもの味を堪能して、とりあえずお腹を満たしてからは特に何もない町並みを後にして、すぐにユースホテルの部屋に戻りました。
時刻はもう午前0時・・・
部屋に戻ってみても、まださゆりは帰って来ていません・・・
「何かあったんじゃないだろうか・・・」
そう心配もしましたが、実はまだ5分くらいしか会った事無い彼女。
「何も知らない訳だし・・誰か知り合った人と盛り上がって朝まで飲むのかな・・」
と心配するのも余計なお世話かなと思いながら日記を書いていると、またまた睡魔が襲って来たので抜けきれていない疲れと共に眠りにつきました。
翌朝、何かの物音で目が覚めました。
顔を上げてみると・・・
「おはよう♪ ごめんね・・・起こして」
さゆりがいました。
「いや、全然いいよ・・・今、何時かな?」
「えっと・・9時半だよ」
さゆりはさっき部屋に戻って来たかのように、髪もボサボサとかではなく身なりもちゃんとしていました。
「今帰って来たの? 夕べは部屋にずっといなかったし、どっかいいBARでもあった?」
そう聞いてみると
「う〜ん、そうね・・BAR知り合った人と飲みながら語ってたら、そのままお店で寝ちゃってたよ」
さゆりは可愛らしい照れ笑いをしながら答えました。
それならばよかったと安心してこれからの予定を尋ねてみると・・・
「実は私、今日がチェックアウトの日なんだ・・・だからもう10時までには出ないと」
「ええっ〜!マジで?」
そう聞いた時、あまりにも残念で立ちくらみがしました。
せっかく美人で愛嬌もあって性格も良さそうな女の子と夢の同部屋になれたのに・・・
残された時間はあと10分少々・・・出会った昨日の時間を合わせても15分くらいにしかなりません。
なんてついていない男なんだと思いながら行き先を尋ねました。
「えっ、もしかしてもう日本に帰るの?」
「ううん、まだ帰らないよ。今からはケアンズに行くの♪ ケアンズではスキューバダイビングとかしたいし、そこで2週間くらい滞在して日本に帰るつもり」
神はまだ見捨てていませんでした。
自分も次の行き先は更に赤道よりの熱帯気候都市「ケアンズ」
しかもそこにある世界最大の珊瑚地帯の「グレートバリアリーフ」でスキューバダイビングをする事がこの旅の最大の目的です。
「マジ!?俺もケアンズ行ってスキューバダイビングやるつもりだよ!」
俺は目を輝かせて言いました。
「本当に!じゃぁ一緒にダイビングしたいね♪ いつここからケアンズに出発するの?」
ケアンズへはいつでも出発出来ます!こんな何にもないタウンズビルには用はありません。
しかし泊まっているこの部屋は明日までの料金を払ってる・・・まあそれは諦めれるとして、ただ移動手段が問題でした。
さゆりはバスでケアンズまで行くようです。
しかしながら自分はまだバスの予約をもちろんしていません。オーストラリアの長距離バスの予約は基本的に1日前からしか受け付けてません。
それなのでケアンズへ出発出来るのは早くて明日の朝。
「OK!!俺も明日の朝一番にケアンズに行くよ。だから向こうで会おうぜ!!」
「ホントにぃ♪ じゃぁ私はケアンズのYHAのユースホテルに泊まるから、そこで待ってるね!」
そう聞いてすごく嬉しかったです。
なんだかとてもイケそうな気がしました・・・
それからバスターミナルで彼女を見送りしてから、ソッコーで公衆電話に駆け寄り次の朝一番のケアンズ行きのバスを予約しました。
旅路での恋(4)につづく・・・
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