レザーのジャケットはおって♪
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今から10年以上前、オーストラリアでの1年間の海外生活を終えて日本に帰国してから、新たに何の仕事をしてそしてどう生活していくのか色々と考えていました。
オーストラリアでの生活はとても大変で苦労も絶えないものでしたが、それを直接仕事に生かせるかというと疑問点がありまして、大した語学力も持たない自分なので「海外生活をした」という特別な効力は何もないです。
しかしながら、そんな中一つだけ頭の中に残るとある素敵な記憶がありました。
英語力も全くないのに、オーストラリアのシドニーに航空チケットと10万円だけを持って何の当てもなく旅立ったのはいいのですが、到着してからは知ってる人もいないし、どうしていいかもどこに行けばいいのかもどう話せばいいのかも全てが分からない孤独な状況だった時、ただ暇だけを持て余していたので毎日大きなショッピングモールに行っていました。
もちろん買い物をするわけでもなくただウロウロと時間を消化するだけの日々で、そんな中ある日お洒落なサーファーズブランドが入っているアパレルショップに服を見に行きました。
お金も持ってなくて何も買わないただ見るだけの自分なので、なんとなくお店の店員に話しかけられないようにしながら憧れの目で服を見ていました。
所が自分を見つけたサーファーっぽい男性店員が笑顔でこっちに寄ってきて
「Hi ! May I help you?(いらっしゃいませ)」
と話しかけて来ました。
ただ見るだけの自分は慌てて
「I'm sorry, I'm just looking.(すいません、見てるだけです)」
と僅かに知っている英語を言って難を逃れようとしました。
そうすると店員は
「Not at all, It's good. Please look slowly.(全然イイですよ、ゆっくり見ていってくださいね)」
と言ってくれました。
これが現地の人との初めての会話でした。
なんだかこんな英語も分からなくて観光客でもないオドオドした日本人にも、ちゃんと笑顔で対応してくれる事がすごく嬉しかったです。
そしてそれから3日後、また暇を持て余していた自分はいつものごとくショッピングモールに来ては1日中ウロウロと時間を消化していましたが、そんな中この前に行って優しく対応してくれたアパレルショップが気になって、勇気を出してまた行ってみようと思い足を運びました。
お店に入るとこの前話しかけてくれた男性店員がいまして、洋服を見ながらチラチラと店員を気にしているとその男性店員と目が合いました。
そうするとその店員は満面の笑みを浮かべてこちらに寄ってきて
「Hi ! Moreover, it come here.(やあ!また来てくれたんだ)」
どうやら自分の事を覚えてくれているようですごく嬉しかったです。
そして頑張ってあいさつを返してみました。
「Hi !」
そうすると店員は笑顔で何やら自分に話していましたが、当然英語がチンプンカンプンな自分はまったく理解できませんでした。
それから店員は何やら何かを思い出したように
「It's so!There is the good one. please wait for a moment.(そうだ!いいものがあるんだ。ちょっと待ってて)」
そう言って倉庫の方に行き、何かを取り出して戻ってきて
「This to you.(これどうぞ)」
ポスターとキーホルダーを自分にくれました。
それから聞きとれない自分にも丁寧にポスターに写っているサーファーの説明をしているようで、一通り説明を終わると握手をしてくれてこう言ってくれました。
「Thank you ! please come at everytime.(ありがとう!またいつでも来てね)」
まさか買い物もしてないのに物を貰えるとは思いもしませんでしたしとても感激しました。
遠い異国の地で友達も知り合いもいない、まともに会話すら出来ない外国人の自分にこんなに親切にしてくれた記憶が、1年後に日本に帰ってからもずっと頭から離れませんでした。
それなので漠然ではありますが、自分もお店を出して今度は逆にお客さんにお返ししたいと真剣に考えました。
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