レザーのジャケットはおって♪
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旅路での恋(10)のつづき
ユースホテルのフロントでさゆりがもう日本に帰ってしまったと聞き、さゆりからの手紙を受け取ってから急いで部屋に入って手紙を開封しました。
あまりのショックからの動揺のせいか手が震えてなかなか手紙の封を開けれませんでした。
内容は・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dear ツカサ
このような形で先に1人で日本に帰ってしまった事を報告してしまって本当にごめんなさい。
ツカサにはいくつか伝えなければいけない事がありますが・・・
まずは私のせいで怪我をさせてしまって本当にごめんなさい。ちゃんと治るか心配です。もし具合が悪いようだったら早く病院に行ってね。
それで・・・1番大事な事を伝えなければいけないですが、私は実は心臓病の特発性拡張型心筋症という大きな病気を抱えていて、お医者さんからは後半年持つかどうかの命だと言われてます。
それで私は前からの夢だったオーストラリアのゴールドコーストでサーフィン、グレートバリアリーフでスキューバダイビングをやるために1人でこっちに来たのです。
オーストラリアに来る前はずっと長年の入退院の繰り返しや薬代などで、私も私の家族もお金が無くなってしまって借金をする程になってました。
とてもオーストラリアに来る余裕なんかなかったのですが、私はどうしても何をしても死ぬ前に夢を叶えたくて、本当はバイトでもしてお金を貯めるべきだったのですがそんな時間もないから、東京とかで援助交際をしてお金を作りました。
当然親や兄弟は何も知らなくて・・友達がカンパをしてくれたと嘘をつき、もう時間が無いからと親とお医者さんの反対を強引に押し切ってオーストラリアまで来たのです。
最初はゴールドコーストに行ってサーフィンをしました。でも渡航代などでお金をほとんど使っていて、こっちに来てからの宿泊代や移動代そしてサーフボード代も足りなくなって、私はまるで癖になってしまったかの様に、こっちでもお金を持ってそうな日本人観光客を相手に自分を売ってお金を稼いでいました。
ゴールドコーストでも・・タウンズビルでも・・・
そしてツカサと出会ってからは、だんだんと失っていた恋心がときめいて、そんな援助交際をしている自分が情けなくて汚らしく感じて、止めようとも思ったのですが・・・スキューバダイビングにかかるお金や帰りの日本へのチケット代がどうしても足りなくて、ケアンズでもまたそういう最低な行為をしていました。
だからツカサに怪我をさせた男も、聞いた通りで私が相手をした人です。
本当にこんな最低な私でごめんなさい。
どれだけ謝っても足りません。
きっとツカサは手紙を読んで怒りが込み上げてくる程だよね・・・こんな酷い女に出会った事に。
さらにこんなこと言って「ふざけるな」と思うでしょうが、私はツカサの事が好きでした。
タウンズビルで出会って、そしてケアンズでもまた会えて・・・それからは本当に一緒にいる時間が楽しくて、ツカサはいつも笑顔で面白くてそして優しくて。
でも私にはもう残された時間が無いから、人を好きになってはいけないと強く心を止めていたのだけれど・・・プールで私が溺れた時は一番に助けてくれて本当に嬉しかったし、ツカサを好きだという気持ちを止めておく事が出来なくなりました。
ツカサは本当に優しいね。
プールで私を助けてくれて、エスプラネードでもあの男2人から私を守ってくれて・・・
本当にありがとう。本当にお礼しきれないくらいだよ。
そんな大好きなツカサと2人でいれる時間がとても幸せでした。自分の病気を忘れてしまうくらい。
本当にこのままずっと一緒にいれればとずっと思っていたよ。
だけど、私には時間が無い・・・
その事に気付くと悲しくて辛すぎて。
もう長年の闘病生活を経て残された余命にも心の準備が出来たつもりだったはずなのに、ツカサと一緒にいると死ぬのが嫌で嫌で・・・諦めた人生がまた諦めきれなくなって来ました。
そして何より・・・ツカサがこれから一緒にいてくれても、私はもうすぐ居なくなってしまう。
ツカサにも同じ辛い思いをさせたくは無かったから・・・私は何も言わず勝手に日本に帰ってしまいました。ツカサには結局、名前と横浜出身という事だけしか伝えきれなかった。
もう二度と会えない・・・
私にとってはツカサは一生の思い出です。本当に最後に幸せな時間を過ごせました。
スキューバダイビングを出来なかった事は残念だけど、2人で一緒に過ごせた事が何より嬉しかったからいいです。
ツカサは私のせいでグレートバリアリーフに行けなかったけど、またいつか誰かと行ってください。
本当にたくさんありがとう。
私の事は忘れて、ツカサはこれからもサッカーに音楽に旅行にと色々とやって楽しく過ごしてください。
さようなら
さゆり
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「・・・・・」
旅路での恋(12)につづく・・・
ユースホテルのフロントでさゆりがもう日本に帰ってしまったと聞き、さゆりからの手紙を受け取ってから急いで部屋に入って手紙を開封しました。
あまりのショックからの動揺のせいか手が震えてなかなか手紙の封を開けれませんでした。
内容は・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Dear ツカサ
このような形で先に1人で日本に帰ってしまった事を報告してしまって本当にごめんなさい。
ツカサにはいくつか伝えなければいけない事がありますが・・・
まずは私のせいで怪我をさせてしまって本当にごめんなさい。ちゃんと治るか心配です。もし具合が悪いようだったら早く病院に行ってね。
それで・・・1番大事な事を伝えなければいけないですが、私は実は心臓病の特発性拡張型心筋症という大きな病気を抱えていて、お医者さんからは後半年持つかどうかの命だと言われてます。
それで私は前からの夢だったオーストラリアのゴールドコーストでサーフィン、グレートバリアリーフでスキューバダイビングをやるために1人でこっちに来たのです。
オーストラリアに来る前はずっと長年の入退院の繰り返しや薬代などで、私も私の家族もお金が無くなってしまって借金をする程になってました。
とてもオーストラリアに来る余裕なんかなかったのですが、私はどうしても何をしても死ぬ前に夢を叶えたくて、本当はバイトでもしてお金を貯めるべきだったのですがそんな時間もないから、東京とかで援助交際をしてお金を作りました。
当然親や兄弟は何も知らなくて・・友達がカンパをしてくれたと嘘をつき、もう時間が無いからと親とお医者さんの反対を強引に押し切ってオーストラリアまで来たのです。
最初はゴールドコーストに行ってサーフィンをしました。でも渡航代などでお金をほとんど使っていて、こっちに来てからの宿泊代や移動代そしてサーフボード代も足りなくなって、私はまるで癖になってしまったかの様に、こっちでもお金を持ってそうな日本人観光客を相手に自分を売ってお金を稼いでいました。
ゴールドコーストでも・・タウンズビルでも・・・
そしてツカサと出会ってからは、だんだんと失っていた恋心がときめいて、そんな援助交際をしている自分が情けなくて汚らしく感じて、止めようとも思ったのですが・・・スキューバダイビングにかかるお金や帰りの日本へのチケット代がどうしても足りなくて、ケアンズでもまたそういう最低な行為をしていました。
だからツカサに怪我をさせた男も、聞いた通りで私が相手をした人です。
本当にこんな最低な私でごめんなさい。
どれだけ謝っても足りません。
きっとツカサは手紙を読んで怒りが込み上げてくる程だよね・・・こんな酷い女に出会った事に。
さらにこんなこと言って「ふざけるな」と思うでしょうが、私はツカサの事が好きでした。
タウンズビルで出会って、そしてケアンズでもまた会えて・・・それからは本当に一緒にいる時間が楽しくて、ツカサはいつも笑顔で面白くてそして優しくて。
でも私にはもう残された時間が無いから、人を好きになってはいけないと強く心を止めていたのだけれど・・・プールで私が溺れた時は一番に助けてくれて本当に嬉しかったし、ツカサを好きだという気持ちを止めておく事が出来なくなりました。
ツカサは本当に優しいね。
プールで私を助けてくれて、エスプラネードでもあの男2人から私を守ってくれて・・・
本当にありがとう。本当にお礼しきれないくらいだよ。
そんな大好きなツカサと2人でいれる時間がとても幸せでした。自分の病気を忘れてしまうくらい。
本当にこのままずっと一緒にいれればとずっと思っていたよ。
だけど、私には時間が無い・・・
その事に気付くと悲しくて辛すぎて。
もう長年の闘病生活を経て残された余命にも心の準備が出来たつもりだったはずなのに、ツカサと一緒にいると死ぬのが嫌で嫌で・・・諦めた人生がまた諦めきれなくなって来ました。
そして何より・・・ツカサがこれから一緒にいてくれても、私はもうすぐ居なくなってしまう。
ツカサにも同じ辛い思いをさせたくは無かったから・・・私は何も言わず勝手に日本に帰ってしまいました。ツカサには結局、名前と横浜出身という事だけしか伝えきれなかった。
もう二度と会えない・・・
私にとってはツカサは一生の思い出です。本当に最後に幸せな時間を過ごせました。
スキューバダイビングを出来なかった事は残念だけど、2人で一緒に過ごせた事が何より嬉しかったからいいです。
ツカサは私のせいでグレートバリアリーフに行けなかったけど、またいつか誰かと行ってください。
本当にたくさんありがとう。
私の事は忘れて、ツカサはこれからもサッカーに音楽に旅行にと色々とやって楽しく過ごしてください。
さようなら
さゆり
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「・・・・・」
旅路での恋(12)につづく・・・
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