レザーのジャケットはおって♪
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旅路での恋(7)のつづき
スキューバダイビングをする事が出来なくなって落ち込んでいたさゆりを励まし、エスプラネードという散歩道を歩きながらせっかくの2人きりの時間を過ごしていた所に、怪しげな観光客ぽい男2人がニヤニヤしながら声をかけてきました。
「さゆりちゃん・・探したよ〜、また会いたくなってね・・」
日本語での言葉・・・見た目からも間違いなく日本人の40歳くらい男と30歳くらいの男の男性2人でした。
「ねぇ、さゆりちゃん・・また頼むよ」
男2人のうちの割と背が低い40歳くらいの方がさゆりに話かけていました。
それを聞いて僕はオーストラリア旅行に来ている親戚か何かと思いましたが、さゆりはその男2人と目も合わせようとせずにまるで無視しているようです。
そしてさゆりが・・・
「ツカサ、行こう・・・」
と、まるで男2人から逃げるように僕の手を強く引いて着た道を引き返そうとしました。
「待てよ!さゆりちゃん・・・何?その連れの男も客?それとも彼氏?」
その怪しげな40歳くらいの男が意味の分からない事を言っていますが、さゆりは聞こえないかのようにまったく反応をせずうつむきながら足早になってます。
僕は客と言われて・・さゆりは自分がツアーコンダクターか何かを男2人に話しているのかと思っていました。
「ねぇ、さゆり・・・いいの? あの2人、親戚とか知り合いじゃないの?」
「・・・・」
さゆりに尋ねてみても返事がありません。
「さゆり、なんかさゆりのこと呼んでるみたいだし、俺にかまわず話してきていいよ」
そう言うとさゆりは・・・
「いいの!全然関係ないし話すことなんかないから!もう早く帰ろう!」
なんだか感情的になってさゆりは言うし、とにかくあの2人から離れようとしているので、僕も帰ろうとすると・・・
男2人が駆け寄って来て
「おい待てよ!こっちはまたちゃんと金払ってお願いしようとしてるんだぜ!それに新しい客も連れて来てやったし」
40歳くらいの男がさゆりの腕を掴んで強引に引っ張ろうとします。
「やめてよぉ!もう関係無いから離して!」
さゆりは本当に嫌そうに手を振りほどこうとしているので
「おい!やめろよ!」
僕は男の腕を掴んでさゆりのから振りほどきました。
「なんだ!お前は? 今相手してもらってる客なのか?」
40歳くらいの男がこっちを睨みながら言っている事の意味が分かりませんでした。
「客!?客ってなんだよ?」
そう僕が聞き返すと男はニヤニヤしながらさゆりの方を見ました。
さゆりは涙目になってうつむいています。
「さゆりちゃん・・こいつは何も知らないんだねぇ?もしかして彼氏とかなの?」
「お願い、やめて!もう構わないで!」
さゆりが泣き出して言いました。
どうやらこの男2人は当然ながらさゆりの親戚とかでもないし、さゆりにとっては非常に迷惑な存在のようでした。
そこで僕は・・・
「おい!さゆりが嫌がってるだろ!だからもう帰ってくれよ!」
そう言うと男は
「お前さゆりの彼氏なのか?」
彼氏か?と聞かれて「そうだ・・」とも答えたかったのですが、自分のさゆりに対する想いも込めて
「俺はさゆりとは今はまだ仲の良い友人だけど、さゆりに対しては好意も持っているし大切な人だ!」
そう言うと、男は大笑いしました。そして・・・
「そうなのか!?それはけっこうな事だな!是非頑張って欲しいし、ついでにいい事を教えてやろうか?もしかしてもう知ってるのかな?」
「なんだ!?」
「このさゆりはな・・・援助交際をしてるんだぜ!・・わかるか?・・・売春!ヤラセて男から金を取ってるんだぜ!実際俺もこの前に買った客だしな」
それを聞いて僕はしばらく理解が出来ませんでしたが・・・言葉の意味が分かって来た時、まるで頭をハンマーで殴られた様な衝撃を受けました。
旅路での恋(9)につづく・・・
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