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レザーのジャケットはおって♪
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5、6年前に友人が住んでいる大分県に1人で車で遊びに行きました。
友人と夜遅くまで繁華街で遊んでいましたが、自分は泊まらずに車で福岡市の自宅まで帰るつもりだったので、お酒は一切飲まずに友人だけが飲酒する形で居酒屋、クラブ、カラオケと夜中1時くらいまで楽しんでいました。
それから友人と別れて帰る為に福岡に向かい車を走らせたのですが、まだ眠気もまったくなく次の日も休日という事で高速道路代を節約しようと下道で帰る事にしたのです。

大分市内から別府までの10号線、そして別府から鶴見岳・由布岳方面の峠道を抜けて湯布院を過ぎてからはひたすら210号線を進み福岡に入る下道を通って、福岡市内までは夜中なので約4時間程で到着します。
車も少なくてスイスイ行ける為に大分市内から別府までは20分で着きまして、それから別府湾近くの10号線から外れて山の方へどんどん登って行きます。
峠道に入ると完全に周りは何も無くなり歩行者が居ないのは当然で、時間帯のせいもあって他の通る車さえも見る事は無くなりました。
前にも何度も通った事ある道なので何も考えずにカーステレオの音楽を聴きながら快調に飛ばしていましたが、しばらく進んでいると過去に通った記憶に無い様な感覚を感じました。

「道、間違えたかなぁ?」

そう思いながら進みますがそろそろ出て来てもいい城島遊園地の看板もいっこうに見る事が出来ませんし、車にナビは付いていなく地図も持っていなかったし、携帯電話も圏外なので現在地や道路事情も調べようがありません。
ちょっと焦って来たのでカーステレオを消音にして、車のヘッドライトが照らす先を注意してよく見ながら、ただひたすらアクセルを踏んでいました。
周りは街灯も電柱も建物も全く無く真っ暗で対向車も出くわさず、自然の山に囲まれた中唯一の人工物であるアスファルト敷の道路を通る自分の車の音だけが響き渡る状況です。

「はっ!?」

突然の光景に驚きました。
道路右側の測道に人影が見えたのです。
急ブレーキで車を停めて車中から右後ろを振り返ってみると、腰の曲がった老婆が立ち尽くしてこちらを見ています。

「なんでこんな所に人が?」

もちろんそう思いました。
今の時刻は午前2時過ぎ、昼間でさえ人が歩き通るような道ではありませんし、ここから人が住んでいる集落までは車でも30分はかかります。
周りに他の車やバイクも見当たりませんし、こんな山奥の峠道まで独りで歩いて来たのでしょうか?


「まさか幽霊?」

そう思ってさすがにちょっと怖くなったので見なかった事にしてまた車を発進させました。

それからまた1時間は車を走らせましたがいっこうに湯布院の町に到着もせず、さっきも見た様な風景がまた表れてなんだかグルグルと同じ所を回っているようです。

「ここ、さっきも通ったよなぁ・・・」

そう思いスピードを落として注意しながら走っていると、ヘッドライトが照らす道路先の右側に再びさっき見た老婆の姿が表れました!
今度は手前で停止してヘッドライトで照らしながら凝視しましたが、どうみても生身の人間で眩しそうにしながらこちらを見つめています。
さすがに気になり心配にもなりましたし、それにもしかすると道に詳しくて教えてもらえるかもと思ったので、車を近づけて窓を下げて声をかけてみました。

「すいません・・・ちょっと道に迷ったんですけど・・・」

そう問いかけても老婆は無表情のままで返事がありません。

「すいません・・・こんな時間ですけどどうかしたんですか?」

今度はそう尋ねてみましたが、やはり返事はなくこちらを見つめたまま突っ立っています。
見た所けっこうな高齢ですし『もしかして耳が聴こえないのかも?』と思っていると・・・

「わたしゃなぁ・・ここでひき殺されたんよ・・・」

「!?」

突然の思いがけない老婆の一言にビックリしました。
しかも意味が分かりません。

「えっ?殺された?誰がですか?」

そう聞いてみると

「わたしゃなぁ・・ここでひき殺されたんよ・・・」

同じセリフ・・何を言ってるのか理解出来ません。

「えっ?お婆さんがですか?いつですか?」

そう再び聞いてみると

「わたしゃなぁ・・ここでひき殺されたんよ・・・」

相変わらずの答え・・・生気が感じられない無表情でまるで腹話術で操られている人形のように繰り返し語りかけて来ます。
さすがに気持悪くなり関わらない方が身の為だと感じたので、パワーウィンドウのスイッチを引っ張って窓を閉め、逃げる様に車を発進させました。


<後編につづく>

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