レザーのジャケットはおって♪
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旅路での恋(4)のつづき
翌朝8時に起きてから改めてさゆりを探し始めました。
まずはユースホテルの広い敷地内をもう一度探します。
もしかすると部屋で寝ているのかもしれないので、勝手に全ての部屋にも入って一つ一つベッドも見て回って確認しました。
しかし・・ユースホテル内にさゆりはいません。
仕方ないので外に出てひたすら歩き回りました。
まだケアンズの街の地理も分かりませんが、彼女が行くかもしれないと考えれる日本人向けの観光コミュニティセンターやショッピングモール、公園や海岸沿いの散歩道など。
太陽の日差しが強く熱帯気候特有のかなりの蒸し暑さなので、ただ歩いているだけでも体中から汗が大量に吹き出ます。
もう午後に入りある程度の場所は回ってからは、もう一度エスプラネードという名前の海岸沿いの散歩道に行きベンチに腰掛けて休んでいました。
ケアンズは特殊な海で干潟なために海岸にはほとんど砂浜がありませんし、泥の海が広がっているので泳ぐ事も出来ず、もちろんサーフィンも出来ません。
ですから海岸から眺める海の景色も良くはないです。
なぜそんな環境かというと大陸から数十km離れた先にはグレートバリアリーフという世界最大の珊瑚地帯があります。その珊瑚地帯が遠い海洋からの大きな波を遮り吸収してしまって、大陸には波が来ずにただ海底の泥だけが押し寄せられて蓄積しているらしいです。
そんな日本の故郷のムツゴロウがいる有明海の干潟にも似た海をしばらく眺めていると・・・
「ツカサ♪」
突然の自分の名前を呼ぶかわいらしい声・・・
その声の方を向くと、さゆりが無邪気な笑顔で手を振りながら近づいて来ていました。
遠い南半球の見知らぬ土地で知り得た人ともう一度出会える・・。
心の奥底から喜びが込み上げて来ます。
「さゆり!!よかった〜会えて!かなり探したよ!」
「そうなんだぁ・・ゴメンね。ツカサは今日ケアンズに来たの?」
「いいや、昨日の夕方に着いて・・それからすぐYHAのユースホテルにチェックインしてそしてずっとさゆりを探してたよ・・」
僕は照れながら言いました。
「本当にゴメンね。あたしももちろんそのユースホテルにいるんだけど、昨日は知り合った観光客の人に船で離島に連れて行ってもらって今朝帰って来たんだ♪」
知り合った観光客・・・誰?
なんだかよく分からないフレーズが出て来ましたが・・あまり深入りはせずに・・・何はともあれさゆりと再び会う事が出来たのでよしとして喜びを噛み締め、それからは2人でランチに行って初めてゆっくりと話す時間を楽しみました。
その楽しい会話では、僕はとにかく自分の事をたくさん知ってもらおうと・・故郷の熊本の事、サッカーが大好きな事、昔からバンドなど音楽をやっている事、オーストラリアに来た目的そして来てからのシドニーでの生活の話などたくさん伝えました。
さゆりはどの話にも嬉しそうな笑顔で興味津々と聞いてくれました。
そしてケアンズに来たお互いの目的でもあるスキューバダイビングのライセンス取得も一緒に行く約束もしました。
更にさゆりから・・・
「あたし一応女の子だし1人で心細いし・・日本に帰るまでのオーストラリアにいる間は・・・ツカサがよければずっと一緒にいて欲しいなぁ♪」
さゆりは少し恥ずかしそうにもなんともいじらしい笑顔でお願いしてきました。
「・・・もちろんOKだよ!」
僕は冷静を装って返事をしましたが、座っている席のテーブルの下では握り拳でガッツポーズをし、なんだかすごくイケそうな気がしました・・・。
旅路での恋(6)につづく・・・
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