レザーのジャケットはおって♪
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旅路での恋(5)のつづき
さゆりと再会する事が出来、さゆりと共に過ごす事になりました。
同じユースホテルですが部屋は別部屋。
お互い起床してからは軽く食事をして、ケアンズの街を散歩したり観光地を巡ったりで色んな場所で出向き楽しみ、夕方からは食材を買い物に行ってから2人で料理。
僕はパスタやカレーやオムレツ等を作り、さゆりは肉じゃがやハンバーグや唐揚げ等作ってくれて味も最高でした。
自分にとっては本当にまるで恋人と過ごすように楽しい毎日で、ケアンズ近郊にあるキュランダという熱帯雨林ジャングルの観光地に行った時に、狭くて歩きにくい悪路を通る時には勇気を出して初めて手をつないで歩きました。
もうその頃には自分のさゆりに対する恋心が大きくなり、純粋にさゆりのことが好きになってしまいました。
ただ、1つ謎な所がさゆりにはあって・・・
毎日ではないですが、2人で夕食を作って食べてそれからしばらくすると夜の9時過ぎには「おやすみ」と言っていなくなるのです。
どうやら部屋に戻って就寝しているのではなく外出しているようでした。
当然、不思議に思うので・・・
「晩ご飯食べてからどこかへ行ってるの?」
と聞いてみたのですが
「・・うん、ちょっとジュース買いに行ったりね」
さゆりからはそれだけの返答・・・
何をしているのかは謎ですし、とても心配で知りたくもあったのですが・・まだ恋人になれた訳でもないですし、何か事情があるのかもしれないと考えてまだそっとしておく事にしました。
ただ、いつも2人でいる事が出来るしとにかくその時間がとても幸せでした。
そしてそんな日々がとりあえず1週間程続き、いよいよ2人でスキューバダイビングのライセンスの獲得へ!
ライセンス取得にはまず、学校に行って午前中は授業で午後はプールでの練習が3日間続きます。
そこでの筆記試験とプールでの実技試験に合格すると、いよいよケアンズ近郊の海域のグレートバリアリーフの船上で3日間生活して、そこで毎日3回のダイビングも行ない、全ての課程が終了するとライセンスも獲得出来るわけです。
嬉しいことにさゆりは、当初の予定よりもオーストラリアの滞在日数を延ばして、スキューバダイビングのライセンスを取ってから1週間くらいゆっくりして、それから日本に帰る事にしてくれました。
2人で学校へ通い始めました。
想像していたよりもライセンス取得への道のりは厳しく、授業では毒を持っている危険な魚などを覚えたり、潮の流れや海底の地形等の海に関しての知識、ダイビングに必要な機材への知識など勉強しなければいけないことはたくさんありました。
もちろん講義は日本人の先生が日本語で教えてくれるので語学の心配は無く、ライセンス取得に来ている人は約20人程いましたが、短い日数の観光旅行で来ている家族だったり、自分と同じように旅で来ている人など老若男女様々でした。
教室で授業を受ける学科も大変でしたが・・・プールでの練習はもっと大変で、まず泳ぐ練習から行なうですが、普通に200mとか300mとか連続で泳がされたりします。
それから潜る練習・・・30kgとかあるタンク等を体に身につけての潜水は、思った以上に体力を使いかなりのハードでした。
プールは3mの深さでそこまで潜るのですが、そのたった3mでもかなりの水圧を受け耳抜きが出来ずに耳が痛かったり、呼吸が上手く出来ずに苦しかったりと、改めてこれはスポーツなんだなぁと実感しました。
男で一番体力がある年頃の自分がそうでしたから、年齢が高い人や女性の人達がつらいのは当然で・・・さゆりも本当にきつそうでした。
プールでの練習の一つで、底まで潜ってそれから水中でクルクルと何回もでんぐり返しをするのですが、それがさゆりは上手く行かずにプールから上がった後は顔も青ざめて喋る気力も無くとてもつらそうで心配になりました。
「さゆり・・・大丈夫? 本当にきついんだったら無理をしなくてもいいんだよ」
と、何度も言葉をかけるのですが・・・
「大丈夫!このためにオーストラリアまで来たんだから・・・あたし絶対に諦めないよ!」
さゆりはとても強い思いでした。
学校での3日目、最終日の実技試験の中に『1000mの遠泳』と『10分間の立ち泳ぎ』が行なわれました。
最初の1000m遠泳ではまず自分がクリアをして、それから次のさゆりの番では応援の気持ちを込めてずっと見つめていました。
所が!
まだ50mプール3往復目の辺りで、急にさゆりが一瞬溺れたようになり沈んでしまったのです!
僕は閃光のごとくの速さで瞬時に判断し、講師や監視員よりも誰よりも速くプールに飛び込みました。
旅路での恋(7)につづく・・・
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